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なりそこないスノーホワイト


DLはこちら→なりそこないスノーホワイト

後半ネタバレあり。

かなり読むタイプのアドベンチャー。
姫様のお勉強タイム=プレイヤーが世界観を理解する時間。
本の話やちょっとした雑談で出てくるキーワードがけっこう重要だったりする。

最初主人公の姫様の印象、かなり好き嫌い出ると思うんだ。
わがままで意地っ張りな会話がしょっぱなにガツンと来るから。
年齢を考えると小さい女の子だからしょうがねえかなあーとも思うんだけど。

「お父様の再婚相手の継母と姉はきっと意地悪なんだわ!」とか。
「絶対顔をあわせてなんかやらないんだから!」とか。

でもそのあたりはまだこのゲームの序盤。
自分の従者(幼馴染)が新しい姉の世話もしていると聞いてからのやきもちをはじめてからがゲーム本番。

普通にその幼馴染な従者エピソードでエンディングがあるんだけど、それを見る頃は結構姫様も可愛くなってる。
あと、毒の国だからこそ「やるなよ!やるなよ!」なハラハラも。

そしてメインはその後から。私にとってのメインはそうだったw
従者とのエンドの後、物語がより深く展開していく分岐が出るんだけど
そこからが最高だったんだよ!

あと、エンド見るたびにヒント見に行くといいよ!
ちょっとずつ言うことが変わったり増えたりするから。
このヒントの人がいいんだよなー。
「あんたを助ける方法を教えなさいよ!」って言うと本当にバツの悪そうな顔をする。
あと、そいつに会わないほうがいい、ってルートの説明のときにすねた顔するし。
ヒントコーナーの会話があまりにも楽しくて、ゲームつけたらまずヒントに行くね。
ああ、今はもう見れない(クリア済みシナリオの)ヒントがあった頃、もっと見とけばよかった。
もったいないことしたなあ。

ヒントだけじゃなく、全体的にキャラの表情がいいんだよねー。
マイナス方面の表情が細かくて、すごく感情移入できる。
プレイヤーの心にぎゅっとくるマイナスな表情は笑顔よりずっと描くのが難しいと思うんだ。

このゲームはエンディングは2つほどヤンデレなエンドがある。
実はこのゲームをやる前は
「ヤンデレって相手を思い通りにしたくて刃物とか監禁とか持ち出すやつでしょ?」
っていう認識しかなくてはっきりいって何がいいのか全然わからなかった。
パターン化されたイメージしかなかったんだ。

でもこのゲームの病んだエンディング見てからは新しい世界を垣間見た。
ヤンデレ…けっこういいね…(演出と心理描写の前振りと伏線がきちんとしてるものは)
病む側の、自分を見て欲しくてたまらない、そんな気持ちがひしひしと伝わってくるエンディングだったよ。
そのルートに行く選択肢も「ごめん、ごめんよ」っていうプレイヤーに罪悪感を抱かせる分岐の仕方でね。
「これずっとやったら怒るよなあ…」って無意識に思わせられてしまう。うまい。
感情移入が主人公側じゃなくて病んでる側のほうにいっちゃうの。
切なくて悲しくて、もらい泣きだった。もう。
ヤンデレって多分、病む側の気持ちが伝わらないときっと醒めちゃうんだろうな。
インパクトあるパターンだけまた聞きで知っても、よさがわからないわけだよ。

そして真エンドはもっとすごかった。切なさが日本海溝ぐらい深かった。
真エンドの間中、ずっと泣き続けた。10〜20分ぐらいかな?もっとかも。
病んだエンドの理由もよーくわかるし。嫌ってほどわかるし。
この後に見るヤンデレエンドがまた更に切ないんだ。

真エンドはもう、文句なし、最高、ありがとう!な終わり方。
いやあここまでハッピーエンドだと、安心してヤンデレのバッドも味わえるってもんよ。
しっかりしたハッピーエンドがないとバッドエンドはきちんと味わえないからな。

クリア後のおまけも充実しまくってる。
番外(ハッピーエンド後の話)があって、本当に嬉しい。


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2013.03.11