A・RPG。
吸血鬼。
井上和彦。
三種の神器というぐらいに素敵なものがそろっていました。
これぐらい、素敵ポイントがあれば、アメゲーでも、頑張れる。
そう、おもったんだ――――
無理でした。
ちょっと、穏やかさが通常の役よりも少なめだったけれど、井上和彦ボイスだけは素敵なものでした。
他の二つのポイントが、ことごとくアメゲーでやれたもんじゃなかった。
声だけでは、それをカバーできませんでした…
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」を期待したら「ブレイド」でしたー。ぐらいのひどさでー。
主人公のグラフィックがまず、萌えとはかけはなれたアメコミ調のだっさい鎧姿。
ドット絵が下手に緻密なためにどう頑張ってイメージ補完しようと努力してもダメでした。
しかも吸血のグラフィックがな……
相手が射程範囲内にいるときにボタン押すと首筋から主人公まで血が空間を渡っていくんだよな……
音も「ずぞぞぞぞ」とかいう……あああ美しくねえ。
ゲーム的に、いちいち近づいてゆっくり噛み付いてられないってのもあるのはわかる!
わかるがひどい!
とてもひどい! ロマンはどこ!?
『悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲』の100分の一でいいから美しさやロマンをくれ!
A・RPG部分もかなりつらい仕上がり。
アメゲーグラフィックがまずつらい。
リアルすぎて色々と溶け込みすぎ。
これはいい悪いではなくて、こういうもんなんだろうなあ。
ゼルダ的な画面に慣れてたから、感じる違和感なんだろう。
グラフィック以外の問題は、単調なこと。
致命的だと思う。
同じような罠の、同じようなダンジョンの中、ただただ進んでいく。
なんか…作業なんだよね。
新しい能力を手に入れたときはそれ用の仕掛けが用意されてはいるものの…やっぱ、作業なんだよね。
障害物を避けていくだけ、みたいな。
仕掛けを解いて、カタルシスを得るようなのは、なかったなあ。
仕掛けがないA・RPGだって、風景とかダンジョンの見せ方だったり、イベントだったり、進みたいと思える何かがあるものなんだけど、このゲームにはそれがないんだ。
新しいダンジョンを歩いていても、敵が固くなっただけで何も代わり映えがしないSTGの2周目みたいで、飽きてくる。
フィールド上では行ける所が増えてそれなりに楽しいんだけど、それもほぼ一本道だしな。
というわけで100時間遊べるA・RPGというキャッチがパッケージ裏に付いたこのゲーム、本当は20時間もかからないらしいのですが、それでも途中でやめました。
何かがつらすぎる。
2007.10.16