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天地創造


クインテット三部作最終章。
いや勝手に三部作って呼んでるだけなんだけどねw
でもけっこうあちこちで呼ばれてるみたい。
アクションRPGで、主人公が少し人間と違うところにいて、地球、自然、ガイア、光と闇がテーマの三部作。

今回は、地球の裏、地裏というところからはじまります。
アークが住む平和な村が、突然凍り付いてしまう。
それを解決するために旅に出る主人公(以下アーク)。
生き物や大陸がなくなっている地表を復活させながら。

地表の大陸が復活した後は、地表の冒険になります。地裏には戻れない。
木々や、動物や、鳥が復活していって、植物や動物と話しながらイベントは進みます。
人間が復活すると…それらとは会話できなくなってしまう。
そして、動物や鳥の楽園は、人の手が入って楽園ではなくなってしまったり……これがまた寂しい。
クインテットのゲームやってると動物側に思いいれができてしまうんだよね、特にソウルブレイダーをやっていると。
人間が復活してからのイベントも、普通のRPGっぽいし。
でも人間が復活してからしばらく進めると、今度はまた深いイベントが発生していくんだけどね。

アクションとしては水に潜ったり仕掛けが満載の場所にいったり、ソウルとガイアの続編だなあ、といったかんじ。
レベルが一個違うと難易度が激変するのが特徴だったり…
苦戦した時はちょっとレベル上げをすると驚くほど進めるようになります。
あとちょっと道に迷うw
メインストーリーは暗いのが多いけど、世界を回ってるときは全体的にのどかで楽しい。




が。上の物語やアクションは飾りのようなもんですよ。
このゲームはエンディングのすごさと音楽が本体です。

以下、激しすぎるネタバレ。
文章で読んでもまったく伝わらない気がする。でも書く。


地裏の住人は、地表の人間のコピーでした。
ダークガイアという存在が、創ったコピー。
ダークガイアは、地表を支配するためにアークを地表に送り出し、人間を復活させ、利用しました。

そしてアークは地表の勇者的存在の、コピー。
村が凍りついたのも旅に出たのもダークガイアの罠でした。
「知りすぎたようだな」と戦闘に。ラスボスです。このゲーム、とことん踏んだり蹴ったり。

戦いが終わって。
住人がいなくなってしまった、地裏の故郷の「村」に立ち尽くすアーク。
「村があっても、そこで一緒に暮らす人がいなきゃ意味がないんだよな」

その時に聞こえてくるライトガイアの声。
「あなたの役目は終わりました。この地裏の世界も、あなた自身も消えてゆきます」
「一日だけ、この村の姿を元に戻してあげましょう」

一日だけ。
最初の、ゲームの始まりから、地表へ旅立つまで過ごした村が戻ってきます。
一日だけ。
何もなかった、ゆったりした日。
住人の話は、同じなのに、最初に話しかけたときとは全然違う、重みがあります。
一日が終われば、消えてしまう、幻の住人。
アークも、一日が終われば、消えてしまいます。
ここだけ、どんなに本編のイベントを忘れてても、アークの武器が槍ってことを忘れてても、覚えてます。

一日のおわりに、アークは、自分で(プレイヤーの操作で)ベッドに入ります……

「そして最後の夢を見た」という一文からはじまる、スタッフロール。

白い鳥になって、地表を見下ろしながら空を飛んでいく夢。
この映像と、「帰路」という曲があまりにも綺麗。
静かに涙が出ます。
このあたりの感情を表現する言葉を私は持っていませんでした。
「穏やか」というには温かさが足りなく
「虚しさ」というほど悲しくもない。
一日だけの村を歩いている時の切なさが昇華されて、もっと純度の高い何かになったような。

なんだか静かな感じ。
FFのアレとかアレでは、死なないでと、どれだけ思ったかわからないのに、このゲームは、その最後を受け入れる気持ちになっていた。
村ごと消えてしまうからなんだろうか。
今でもわかりません。
でも、このエンディングがとてもいいものだ、というものだけはわかる。
クリアしたと、電源を切ってしまうのがもったいないほどに。
スタッフロール後の「THE END」の画面もまたよくて。
…最初の、本当の最初の頃の村でかかった曲「帰るべき所」がずっと優しくかかっています。
帰りたかった村の曲が。
TVの電源を消せないのは、アークや村と完全に別れてしまうのが名残惜しいからなのかも知れないな……




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2006.09.21