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CardWirth【感想5】








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「ブリッジヘッド」・「南瓜退治」・「木の葉通りの醜聞」・「新人と私」・「敵意の雨」
「悪夢の地」


なんとなく、「尊大口調あるよシナリオ」「参謀かっこいいシナリオ」集。…と長編名作「悪夢の地」を語りつくしてみたな感想。


「ブリッジヘッド」(メレンダ街内シナ)MNSさん

時間の流れが変った“何か”を、元の時間の流れに戻すために奔走する。

「武人」とか「無骨」とか「不遜」とか「尊大」口調の似合う落ち着いた大人男性口調あります。
ルートによってはそんな口調でも大変面白い事をやってくれる。
2種類のルートがあって、どちらを選ぶかでもう全然展開が変る!
とっても贅沢なシナリオ。
片方だけみてシナリオ消印つけるのがもったいないよ!


「南瓜退治」(焼きフォウの人さん)

上のような尊大口調あるよ!(他では「武人」とか「無骨」とか「不遜」で表現される、逆転裁判の御剣やゴーストトリックのシセルのような大人男性の口調)

南瓜の山の中に、ホムンクルスな南瓜が混ざってるので、ホムンクルスだけぶっ飛ばしてねっていうシナ。
ハインが観測者の瞳(全員暴露)持ってるぜ楽勝だって思っていたら、召喚に入れてた犬が3匹ハッスルしちゃって、一部のカボチャ(本物)がだめになってしまった…


「木の葉通りの醜聞」(小柴さん)

文章がいかにもそれっぽく、主人公に選んだ冒険者の、慇懃な探偵らしい台詞回しもあって
頭がよく思慮深く頭脳労働な「参謀」を求める人は大満足できるんじゃないかな。
「だぜ」とか「ねぇよ」とか言わないのがほんと貴重!(「〜ぜ」「ねぇよ」は男性口調というより粗野に入ると思う)

「私」の一人称な男性冒険者PCに活躍させてあげるといいよ!
もうね、数少ない一人称「私」にできるんだよ。今喋らせないでいつ喋らせるんだ!

…ただ、たまに読めない漢字が出てくる…w
演繹、庶幾、読めないんじゃない、もはや知らない単語だw

…やっぱりインパクト強いな。『もふもふし隊』


目の前で話してるのが【吸血鬼】もちということはおいといて。


「新人と私」(机庭球さん)

高レベル冒険者PTのもとに、弟子入り志願の新人がやってくる。
パーティのうちの一人が付き合う事に…

このシナリオの作者さんは他の新月の塔もそうだけど
ストレスを与えた後の半端ねえカタルシスに持っていくのがすごいうまい。
一度敗北させてからのかっこいい逆転劇が気持ちいいんだ。

ネタバレ感想

「敵意の雨」(JJさん)

高レベル名作でみんながこれをあげるからクロスオーバーできるだけコンプするまで大事にとっておいたシナリオ!

敵NPCの思わせぶりな会話。でも自分らと直接つながりのある話題なので置いてけぼりではない。
それにしてもパーティ名がこれだからある意味ギャグだ。

高レベル冒険者らしい扱いだな。
必要以上に見下されるわけでもなく、持ち上げられるわけでもなく。
「SadinSatin」の全裸で笑いものにはなったがw
あれは全裸やらないとなwww


道中もこれまで経験してきた出来事を思い出してみたり。クーポン集めておいてよかった!

ネタバレ感想

「悪夢の地」(Tankさん)

貼紙は馬車の護衛依頼。高レベル長編の中でも素晴らしい名作!

ドラマの盛り上がりとかストーリー的に燃えるとか
みんな煮えたセリフを言ってくれてテンション上がるとか
もちろんそういう要素もたっぷりあったけれど
何よりもプレイヤーとPCがシンクロ高かった!

「馬車の護衛依頼」という貼紙の通り、地味で素朴な道中からはじまる。
ただ、推奨レベルが「だがこの旅があんなことになるとは誰も思っていなかった――」になる運命だって言ってる。

道中、ちょくちょく入る「相談」が楽しい。
大好きなんだよ、こういうの。

そして砦に到着。なんかみんなキャラ立ってるな!
通過点なはずなのに…?

…と思ったら馬車が壊れて砦に戻ることになった。
そして、司令官達は何かを知っているらしい。

NPCのヴェルナーがいいキャラしてるなあ。軽ーい感じの奴で、堅物(一つ上のスクショの)といいコンビなんだ。
こいつが部屋に入ってきてはすぐに堅物に回収されていくイベントが度々挟まるのには笑ったw
セリフ一言も無いw そしてみんなスルーw
こういう、出張り過ぎずにキャラの印象のつけ方が本当にうまいよ!

ネタバレ感想


本当にこのシナリオはうまいんだよね。

少しずつ相手を知り親しくなっていく過程が完全にプレイヤーとシンクロ。
NPCのキャラも立ってて、必要が無いときもどんどん話しかけていきたくなる。
イベントごとに全部の部屋を回って、話しかけに行ったなあ。
キャラ立ってるといっても、PCの活躍を食っちゃったり、一人でどんどん喋ったりという立ち方じゃない。
重要イベント以外は、こちらが操作して話しかけるまで黙ってる。必要以上に出張らない。むしろ物足りないぐらいの最低限の動き。

“多数のNPCが登場して、自動的にイベントが進行して情報をくれて、仲のいいNPC同士で軽口叩き始めて、PCもいつの間にかそれにのっかって…”っていうNPC出ずっぱりのシナリオより、何故かずっと好感度が高い。もっともっと会話とセリフと軽いイベント、雑談がしたかったとおもうほど。
会話のために話しかけるクリック操作も必要ないほどの自動会話・自動場面切り替えっていうスタイルのシナリオは、やることがセリフ送りしかなくってどんなにPC込みで盛り上がってもアウェー感でいっぱいだった。



誰がどんな奴なのか把握した頃出てくるこの場面とか、NPCをいじるPCがもう楽しくて楽しくて。顔が隠れててもヴェルナーってわかるもの!

物語で重要なNPC>すごくキャラ立ってる>どんな奴かは大体わかる>ほとんどモブ
…ぐらい、濃さに違いがあるのもよかったのかな。
重要キャラを覚えやすくて。

最初に覚えるべきメインを少し覚えて、少しずつ他の人を把握していけばいい(しなくても別にいい)ってのはキャラ覚えられない人にはすごい助かるよw
大人数がどばっと出てきて、誰が誰だか覚える前に、話がどんどん進む話をやったときは困ったっけなあ。

最初から宿の冒険者仲間、な話もあるけれど
どんなに物語の中で冒険者たちが親しい「設定」でもプレイヤーにとっては初見キャラなんだよね。
ある程度はプレイヤーも「ああ、知り合いなのね」とそれに乗ることもできるけど、「知り合い同士」のNPCと最初からノリノリで見知った同士の漫才トークはじめるとさすがに置いてけぼり。
そのNPCがプレイヤー視点でも馴染んできてからだと、すごく楽しいんだけど。

それから選択肢。
「悪夢の地」はそれはそれは盛り上がる展開で、だけど「この空気、冒険者なら当然選ぶだろう!? 行くだろう!? そういう流れだよな!」っていう時も、きっちり選択があった。

これって結構大事だと思った。
重要な場面で、選択肢が出ないシナリオがあったんだ。
NPCを助けに行くという選択が出ず、PCたちは半ば見殺しにする形でそのイベントが固定されていたんだ。
長編の中、盛り上げる一要素として誰か死ぬイベントも必要と入れたらしいのだけど、違和感がぬぐえなかった。
そのシナリオの持つ重いテーマを象徴する、冒険者が迷い、思い悩む物語として、必要な要素、演出だというのはわかるんだけど…

こういうときにリーダーはこういう性格です、参謀はこういうタイプですって事前にあると、選択が無くて勝手に喋ってもそれほど違和感はないし、あってもそういうシナリオだしって割り切れるな。

大体は、適切に選択肢があるか、選択なしに喋っても全然問題ないことが多いけども。
勝手に動いて不満なんてことは本当に滅多にない。
パーティ全体のクーポンが600点超えるまで、こういう不満に当たらなかったから、かなり少ないケースだとは思うけどね。

あ、でもギャグシナリオは選択肢はっちゃけてもいいとおもうw
全部同じ選択出すとか、どれを選んでも一緒なあのノリ好きだw
重要分岐じゃないならどんどん勝手に動くといいと思うw

高レベルPCの褒め方、持ち上げ方もとてもよかった。
「悪夢の地」は、プレイヤーが動かしてない部分を取り上げて褒めるってことが一切無いんだよ。(一箇所だけ、展開上の盛り上がりはあるけどあれは当然の流れだろうし)

高レベル冒険者が自分の噂を聞いたときに「なんだそれ…いつの間にか尾ひれついてんな」って言うネタがあるけれど、ああいった「また聞きの、誇張された伝説のような表現」がない。
おかげで「たいしたやつだ」って空気にはならない。
違和感出るほど具体的な褒め方がない。
PCがイベント上の行動で“人間離れしたすごいこと・とんでもない実力を見せつける行動”をやりきって「あんたすごいな」って言われるのも無い。
(「砂を駆る風となれ」冒頭の参謀は、その辺の違和感ないしすごいかっこよかった。多分『解読』ぐらいは迷宮探索するんだし普通にやってるだろうっていう認識があるからだとおもう)

プレイヤーの知らない「PCの伝説的すごさ」を具体的に解説されるよりは「あの宿名の○○…」とか「この人たちなら大丈夫だろう」ぐらいが温度差無くて好きだな。

「悪夢の地」の場合、最初からもてはやされることがなかったっていうのも大きいかもしれない。
動きがあって、NPCたちを助けるまでは、護衛の冒険者でしかなかったんだ。
何度か助けに入ってから英雄って呼ばれだした。

「敵意の雨」というシナリオでは、クーポンから冒険者の伝説を話に出していてあれもすごくうまいと思った。
他のシナリオの強敵に勝ったという、「実際に、プレイヤーが体験したこと」でPCたちを持ち上げている。
(「敵意の雨」はクロスオーバー対応クーポンが全部Readmeに書かれてるのでありがたい! 「敵意の雨」本編プレイ前に、チェックする事ができたよ)
これは他のシナリオでも、カナン王を倒したクーポンとか、レベル○以上分岐とかでやってるね。
やっぱりすごく嬉しい。


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2013.10.25