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膨大なフリーRPG紹介ページの中で
魔王「勇者よ、これは誰の差し金だ?」
勇者「はい」
魔王「いや、『はい』じゃねーよ! なんで『何故』って聞いたのに Yes Noで答えるんだよ!」

…という文のインパクトと期待感がすさまじかったのでDL。

古きよきドラクエの「はい」「いいえ」選択をネタにしたギャグRPG
でも勇者がそうなった設定を読むと、とてもシリアスで残酷なRPG

最強呪文の代償として感情を失い、「はい・いいえ」しかいえなくなった勇者が
ラスボス戦で敗北した上、魔王城の捕虜になり、ダンジョンに封じられた自分の感情をひとつずつ取り戻していくゲーム。

OPでラストダンジョンとして出てきた魔王城が我が家です。

このゲームRPGとしてはとっても楽。
勇者様は一人旅なので、雑魚といちいち戦おうとすると手数の関係で苦戦するけど
比較的楽に逃げられる上、シンボルエンカウントなので雑魚全回避してボスにいってもいい。
レベルアップの概念がないので(能力値アップはお城でできるけれど、必須ではない)
ずっとボスだけ狙うプレイをしてもOK。
周回して色んな会話したり各種エンディングを楽しむのがこのゲームなので、あまり戦闘をがんばらなくてもいいのだ。

属性の関係や、拾ったアイテムを合成して武器防具・アイテムを作成、材料はダンジョン内にランダムで落ちている…という、
システムを練りこんだら「ちょっとずつ成長させてアイテムを合成して強くなっていく」本格的ハックスラッシュなダンジョンRPGとしても相当いける気もするけれど、あえてそうしなかったところに「このゲームは何がメインなのか」が表れている気がする。
一度見たイベントのスキップ機能もついてるし。

魔王城の住民との交流会話の分岐がすさまじい&メイン会話ランダムだからね!
見たい会話が出るまで人の前でセーブ&リセット(F12)ですよ!
「はい・いいえ」にきちんと反応してくれて、答えによって会話の内容も変わって、一部は主人公の性別でも変わって、さらにはそのときの主人公の性格でも選択肢が変わったりするという、とにかくすさまじい分岐。
(メイン物語の分岐は、誰に何度話しかけたか、とか、イベント中の重要分岐だけなので、何気ない会話は何を選んでもOK)

ほんっとにみんな丁寧にこっちの返事に反応してくれるもんだから、「どうするんだろう」「どうなるんだろう」って試したくなる。
ちょっと状況が変わるたびに「今何か反応あるかな?」って城内練り歩くよ!
雨の天気の日に「雨は好きか?」って会話が出る確率が増えてたり、話し相手がいる場所によっても出る話題が変わるので細かい。

感情を失った勇者と、魔王っていう関係がね、ホントにいい。
人間側のある人物に、意思のないモノ(ほとんど兵器扱い)として勇者が認識されているシーンがあるのだけど、そこが本当にうまかった。

今プレイヤーがかかわっている魔王サイドの対比、この物語がネタだけじゃないという深さを理解するのにこれ以上最適なイベントはない。

同時に主人公そのものに対しての萌えも発生した。
どんな相手にも平均的なダメージを出せる魔法を手に入れた勇者。
その強さと引き換えに人形と揶揄されるほど感情や意思を失う、または希薄になってしまった。
そして勇者に振り回される魔王。までセットで。

上のシチュエーションだけみると、儚いイメージが勇者につくんだけど、実際のプレイではフリーダムになるからなあ…w
だがイメージだけならタダだ。勇者の内心も全部プレイヤーのもの。

魔王倒す手段のために感情失うのと引き換えにするって、どんだけの決意があったんだよ、みたいな過去の想像も、
ゲームの進行ごとにひとつひとつ感情を取り戻している主人公の気持ちを考えるのも
全部まるごとプレイヤーのもの。
選択肢も、誰に話しかけるのか、どこに行くのかもほとんど全部。
主人公の設定のおかげで「はい・いいえ」しかなくても、プレイヤーとの齟齬がほとんどないんだよ。

「はい・いいえ」や選択肢選ぶだけの無口主人公って、以前はあんまり好きじゃなかった。
選択しても意味がなかったり、選択したい場面でさせてもらえなかったりで結局話になんの変化も起こらないSFCぐらいの時期はね。
主人公も喋ってその場に参加できてる、物語の一員になってる、のほうが嬉しかった。
ロマサガ2や、聖剣LOMぐらいの自由さが出てきてやっと、無口主人公=プレイヤーっていう意味が出てきたような気がするんだ。
どれに首を突っ込むのか、今どこに行くのか、まで選べるゲームが出てきてやっと無口主人公の価値がわかったんだよ。
(絶対にネタバレを見てはいけないRPG、ヘラクレスの栄光3は一本道だがあれは無口じゃないとダメだ)

このゲームの勇者の設定と自由さは、もしかしたら無口主人公の究極系なんじゃないかな。


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そういえば…マイベスト神ゲーは思い返せば悪役サイドやるゲームがけっこうある。

カオスシード(一生愛するだろう神ゲー)
大地復活のためダンジョン掘って、大地のエネルギー生産してがんばってる仙人だけど
人間にとっては地震起こす災害で賞金首で、西洋パーティからは「ボス」「魔王」とか呼ばれてる。
そんな主人公がヒロインの尻にしかれるラブコメ場面で「ダンジョンの侵入者にとっては強くて厄介なボス」なんだよなあこれ、って思うといろんな意味でニヤニヤが止まらん。
感情全部失ってカタカナで喋る話もあるしな。
主人公は自分が悪と思われてる認識はあるけど、自分を悪だとは思っていないし、侵入者も敵だけど悪だとは思っていない。あんまそういう概念で生きてないのがよかった。
さっきまで戦ってた勇者様ご一行に重要アイテムあっさりあげちゃうし。

color:clearの魔王様はわざと悪役を演じてる節もあってちょっと偽悪的?

東京魔人学園外法帖
江戸幕府側の正義の味方な陽ルートと、幕府に恨みを持つテロリストな陰ルート。
私はずっと陰ひいきだった。
テロリストの頭領の器に、「一生ついていきます御屋形様!!」だった。
前作では嫌な敵として出てきたキャラの先祖だから、最初はいいイメージ全然なかったんだけどね。
ルルーシュで言うとゼロに心酔する黒の騎士団な気持ち。
陰では悩んでた人が、陽では立派に悪役こなしてるところをみると「こんなに立派になって…!」って妙な感動してしまうw

緋王伝
自分の城落とされちゃって生き延びた王子が魔物と契約して城奪還しに行ってもしょうがないよね!

DXデザイア
リプレイだけど、普段は悪の組織として出てくる側に主人公パーティがいる名作。
悪をプレイヤー、キャラクターの二重の意味で「演じ」ながらも王道展開。
特に九鬼さんのバランス力が超うめえ!大好きだー!

上の4つは後味悪くなることはないが、ダークキングダム、てめーはダメだ。


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2013.03.17